医師コラム
多様化した埋没法のニーズにどう対応するか?・・・二重の幅・形、糸の種類・本数・留め方など
最近、埋没法の手術に来られる患者さんから、二重の幅や形だけでなく、手術の方法について、こうして欲しいと言った要望を聞くようになりました。
「目頭側のラインをはっきり出したいので、なるべく目頭側に糸を1本かけてください。」
「目尻が垂れない様に、目尻側のラインを広げてください。」
「平行型希望だが、目頭側の幅は、目尻側より少しだけ狭くしてください。」
「私は、自然派なので糸は1本でお願いします。」
「挙筋法でお願いします。」
「瞼板に糸をかけると、瞼板が変形するとか、ドライアイになると聞いたが本当か?」
「溶ける糸でやってますか?溶ける糸がいいです。」
「2針固定で大丈夫ですか?3針固定でやってもらえますか?」
「脂肪は取らなくてよいです。」
私は、10年以上前から埋没の手術を行っておりますが、当時は糸の本数、糸の種類、糸を引掛ける組織について希望を言う方はいなかったです。
やはり、ネット社会の情報の取りやすさ、多さに寄るものでしょうか?
10年前は、1本の糸を幅広くループ状に、瞼板に掛ける、2点固定が主流でした。まぶたが腫れぼったい方には、眼窩脂肪を3mm以下の穴から抜き取る、マイクロカット法を同時に行っておりました。
二重の幅の希望が、だんだん広くなると、瞼板法だと二重の食い込みが強かったり、まつ毛の生え際に皮膚が乗っかったり、まぶたが重そうに見えるようになり、挙筋法を行うようになりました。二重の幅が広くなると、元に戻ってしまう頻度も増えると考え、固定する糸の本数も2本が主流となり、希望によっては、3本・4本まで一度に掛けることもあります。
また、私はあまり推奨しませんが、他のクリニックで溶ける糸で埋没法を行った患者さんの話もちらほら耳にするようになりました。
溶ける糸、つまり吸収糸は、非吸収糸に比べると、同じ太さでの強度、フィット感、支持力が落ち、糸に対するアレルギー反応も強いように感じますので、露出等のトラブルも増えるのではないかと思います。よって、現時点では、私はお勧めしておりません。
しかし、今後、推奨しておられる先生からお話を伺ってみたいとは思っております。
多様化したニーズ、個々に合ったより良い方法で対応して行きたいと、日々考えております。