医師コラム
眼瞼下垂(ガンケンカスイ)
眼瞼下垂、ご存じでしょうか?
先日、職場近くの整体院に行きました。私は、20代の頃から肩こりがあり、最近は腰痛もひどくなってきたので定期的に体のメンテナンスを行うために通っています。
久しぶりに行ってマッサージを受けた後、お会計を待っていた時のことです。
急に睡魔に襲われて、目頭を手でぐりぐりと押さえながら擦っていました。
すると、整体師さんから、「まぶたを擦ると、眼瞼下垂になりますよ!まぶたは腱でつながっていて、今みたいに擦ると腱が切れて目が開かなくなってしまいます。」
うわ~、まぶたを擦らないようにって、いつも言っていることを言われてしまった!
しかも、擦ったらよくないことを分かっていながら、無意識のうちに擦っていたことを、がつんと指摘されてしまった・・・。
かなりショックでした。二重の手術をする方にまぶたを擦らないように、擦る癖ないですか?って聞くとみなさん、擦りません。擦る癖はありませんと言われるので、そうだろうと思っていましたが、私のように無意識で擦ることって意外と多いのではないかと思うようになり、その後細心の注意を払っていると、私は眠くなると結構まぶたを擦っていることが判明しました。
整体師さんの言うように、まぶたの裏にある瞼板が眼瞼挙筋と挙筋腱膜でつながっていてまぶたを開け閉めしています。加齢とともに瞼板と挙筋腱膜が剥がれていくため老人になると目が開きにくくなりますが、それ以外に、コンタクトレンズ、瞼を擦ることによっても剥がれてしまい、眼瞼下垂になってしまいます。
手術をしてつなぎ合わせるとまぶたは開くようになりますが、擦る癖をなおしておかないと同じことの繰り返しになります。アトピー性皮膚炎のある方の眼瞼下垂の手術は、皮膚炎の症状が落ち着いていないと術後の再発がありうることをお話しています。
くれぐれも、まぶたを擦らないようにしましょうね。私も注意します。